第1部 新米ハンターの冒険録

『こちら』でも『あちら』でもない、ある場所。
そこには世界から隔離された孤島があった。
島から見上げれば大地。
島から見渡せど大地。
大地に囲まれていながら、そこからは見えぬ場所。
その島の奥深くで蠢くモノ。

第16話『闇で蠢く者』

「帰ってきたか。」
「…………。」

闇の中で、その者は語りかけた。
ソレは無言で頷く。

「どうなった。種は。」
「…………。」

ソレはもう1度静かに頷き、そしてこう答えた。

種は、放たれた。かの地では既に絶望の花が咲き乱れ、我らが望めし道を歩みつつある。」

その者は、嬉しそうに笑った。
笑い声はどこまでも響き渡り闇はより濃くなっていく。

「しかし、もう一方は妙な輩に追われているようだな……。まぁ、いい。 もうすぐ、もうすぐだ。我が願いは、愚民どもの絶望の念が叶えてくれる。」

悠久の時を越えて、ようやく奴を再びこの大地に……!

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