プロローグ <始まりの卵>
『実は、弟がいい年なのに就職していなくて……。
どなたか職安整理券を探してくださいませんか。お礼は私のコレクションから……。
何、報酬も自慢の一品ですぞ。』
というコメントに惹かれて、やってきたのは町外れの森。
何故だか知らないけど、物好きな人が整理券を隠しているのだとか、なんだとか。
それでまあ、整理券を運よく二枚も見つけたのはいいとしてもだね。
なんだ。これは。
妙な鳥の巣で、これまた妙な形の卵。
「変な形だなぁ。ま、とりあえず持って帰るか。」
これがまさか、あんなことやそんなことの引き金になろうとは……。(遠い目