第1部 新米ハンターの冒険録

どうすべきか……。
しかし、今、国家機能が麻痺している以上、協会組織が直接依頼を受ける事はできない。
ならばひとまず、彼に依頼を受注させるしか方法はないかもしれませんね。
もし問題があれば……、後から何とでも操作できる。

第04話『式神の契約』

「じゃあ、話しましょうか。まず、……そうですね、アレかな。」
「アレ?」
「式神との契約です。」
「式神との契約だって?」

式神!?

「あの変幻自在、不思議な技をなすという精霊のこと?」
「そうです。あー、シュウ君はまだ式神のことをあまり知らないのですね。」
「あ、うん。そうなんだ。」
「式神というのは、この世界の秩序を保っているとされる精霊のことです。何種類か確認されていますが、今回必要なのは“護”を司る『狗神』という式神です。」

狗神、か。
聞いた事ないけどなぁ。

「狗神は、あらゆるものから身を守ってくれると言われています。」
「なるほどね。それで砂嵐から身を守ってもらおう、ってわけだ。」
「ま、簡単に言えばそういうことですね。ただ、契約は難しいですが。」


式神との契約。
それはまさに命を賭けたものだという。
契約したい式神と挑戦者が命のやり取りをする。
勝利できれば、契約することができる……とかなんとか。

どちらにしろ新米ハンターには難しい。

「誰かに助力を頼むのもいいですが、卵のことがありますからね。用心深くしておかなくては。」
「それは……そうだな。」
「我々ハンター協会としてもかなり大きい依頼ですので、多少は支援しますから、ね。」

さっきまで卵を回収しようとしたくせに。

「ああ、助かるよ。」
「ひとまず装備を整えたほうがいいでしょうね。少なくとも並程度に。」

そうですね。
いまは並未満ですもんね。

「それでは協会の者を手配しておきますので、先に街のリサイクルショップへ行ってください。」
「リ、リサイクルショップ!?」

あ、あんたアレか。
新米ハンターの命を守る装備品を……、

中古品で済まそうというのかね!

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